* Cheery Maguire *
Details 1998


David: 君は前科もない、バンドもやってない。タトゥーもピアスもしてないね。一体どういうタイプの若手なんだい?




Tobey: 僕は、白紙の状態。だから、やりたいと思えば、どんなものでも創りだせるんだ。




David: 『ボーイズ・ライフ』で50年代の少年を演じた後、オスカーにノミネートされた短編『Duke of Groove』では60年代の少年、『アイス・ストーム』においては、70年代の典型的な郊外の苦悩する十代を創り上げた。
君だったら、70年代というものをどう解釈する?








Tobey: 僕は70年代の映画や音楽がとても好きだ。
その頃って言うのは、まさに‘生’の時代といえるだろうね。
『ネットワーク』 のような映画は、当時の人々の心を動かすものの中心だった。
彼らは絶えずいらついているか、そうでなければ、正直でありたいと思っていた。
ジェスロ・タルでさえそうさ。あんなフルートからだって、彼らのメッセージを理解できるんじゃないかな。
なぜなら、そこからはありのままで、生まれながらのものを感じるから。














David: 君は、今度の 『ラスベガスをやっつけろ』 にゲスト出演するけど、若い俳優の夢を実現したって感じだね。




Tobey: 長い金髪で、すごく怪しいヒッチハイカーをやるんだ。
その役のために、眉を漂白されて、おまけにすっかりハゲ頭のようにされてカツラを被せられたよ。






David: 役作りのためならどこまでやれる?素っ裸になるのはどう?



Tobey: もし、凄く気持ちを動かされて、それをやることが効果的で必要だと感じたならばやるだろうね。
『バッド・ルーテナント』 でのハーベイ・カイテルのようなのは・・・ちょっとね。






David: 映画のために、これはやらないってことはなんだい?



Tobey: タバコを吸うこと。やめてから2年半くらいになる。
ガムも2〜3日食べてないし、コーヒーは3日ほど飲んでいない。





David: それじゃあ、良からぬ誘惑とはすっかり縁をきったわけ?



Tobey: そうとも言えないな。
ベストを尽くすと、進む道が狭まってくることもあるよね。
でも、タイタニックに乗り換えて、楽な道を進むこともできる。誘惑なんて、無数にあるんだよ。
そういうものに関心を持ったりもしたけど、僕の人生に邪魔になるようなことはなかった。
何かの習慣によって、人がどんなふうに成功したかなんて、僕は知らないし。












David: 君の演技の技法は、生まれ持ってのもの?それとも教育の結果?




Tobey: 僕の母は女優になりたかったんだよ。それで、自分の息子ならなれるって考えた。
彼女は僕に100ドル渡して、家政学の代わりに演劇を取るように言ったんだ。
僕としては、父親のようなコックになりたかったんだけど。








David: そして結局、君はマクドナルドの広告をやることになったんだよね。




Tobey: 仕事を始めたのは、8学年くらいの頃かな。ドリトスのCMをやったのを覚えてる。
4日間連続でドリトスを食べ続けて、白状するけど、あれ以来あんなに沢山のドリトスを食べたことないよ。
最初の大きなチャンスは、俳優として仲間入りを果たすことになった 『Rodney Dangerfield special』 での二つのセリフだったんだ。










David: 君は17歳でホームコメディに主演したわけだけど。




Tobey: 『Great Scott!』 だね。13話撮影して、6話が放送されたんだ。
これって、“60Minutes”の対抗馬のはずだったんだけど(笑)。
まあ・・・良くやった方だよね。
(注 : 『60Minutes』は、CBSで1968年から現在に至るまで放送されている人気報道番組です。)








David: 自分は幸せな人間だと思う?



Tobey: 興味深い質問だね。僕にとって。
人って言うのは、一方では幸せだと感じていて・・・つまり、それは上っ面の楽しさとかじゃなく、輝きを感じ、自分は自由であると感じること。
またその一方で、めそめそとした自己憐憫で、不快感を味わいもしている。
僕としては、そのどちらも得る方法を知っているんだ。
なぜだか僕は、大半の時間、二つめのドアを選んでいると思う。つまり、暗くて、不快で、お馴染みの領域のこと。
不適切な無礼な行為を行おうとしている時や、誰かを操ろうとしている時、それが自分で分かるんだ。
(僕に二つめのドアを選ばせてしまう)「自我」ってなんだろう?
なぜ僕は、自分でそんなふうにしてしまうことを止められないんだろう?
なぜ僕は、“ごめん。これが真実だよ”と(自我と)向き合えないんだろう?・・・僕は自分の人生において、それ(自我と向き合うこと)を楽しみにすべきなのかな?
























David: もし、君自身でその問題を乗り越えられたとして・・・それでもまだ君を苛つかせるものが何かあるのかな。





Tobey: 生涯を通じて僕をうんざりさせる、否定的な人達だね。
でも、彼らは僕に、止めることのできない激しい野心という熱情を与えるんだ。
それから(笑)セラピストを見つけて、カウンセリングしてもらうのを楽しみにしているよ。



By David A.Keeps